サバイバルゲームによる救命
2026.01.02
筆 CARIB隊加倉井
はじめに
今回、我がCARIB隊内部にて各メンバーによるホームページを閲覧される皆さまへのメンバー紹介の意味もあり個人で得意としている事を文章にして紹介する案がなされた。今回は身体に異常が発生した際に活用できる内容を2項目に分けて簡単に報告する。以下に紹介する事象はあくまでも応急処置であり、消防局への通報を第一に実施した上での対応とする。
Ⅰ.外傷と疾患への対応
外傷を負った対象がいる場合、初めに確認するのは意識レベルの確認、呼吸状態。出血、創傷の有無である。
意識レベルの確認方法はJapan Coma Scale(ジャパン・コーマ・スケール)を使用した確認方法を実施する。救急救命士も利用する要救助者の意識レベルを的確に確認する内容であり、スマートフォンにて検索確認できる。
外傷には大まかに目視できる損傷と目視出来ない損傷がある。目視出来ない外傷とは毒物の摂取や吸入、放射線障害、臓器損傷がある。今回は日常での発生と考え、これらの事象は除外とし、サバイバルゲームで遭遇する応急対応を紹介する。
怪我(外傷)を認めた場合、最初に確認するのは創傷の確認である。出血の有無、創傷の深さである。創傷が深い場合出血を伴うが多く、その場合は止血を第一優先とする。止血には一般的に創傷を押さえる圧迫止血を第一選択とする。第一行動は救助及び要救助者の周辺の安全を確保して救助活動を行う。止血時は患者の血液に触れる事があり、その血液から救助者が感染症に罹患してしまう可能性があるため、身近にあるビニール袋等手指を保護し直接患者の体液に触れないように、工夫して救助に取り掛かる必要がある。
動脈を損傷している場合には創傷から心臓に近い部位に止血帯を用いて血流を止める。近年ではミリタリーショップで止血帯のレプリカを販売されているが実用には不向きである。しかし、使用方法は同様であり、てこの原理を利用して止血する物である。日常生活で止血帯を必要とした場合、強度のある木の枝等の棒と布を巻き付けて創部から心臓に近い部位を締め上げる止血方法を実施すると良い。その際に止血帯には止血開始の日時を記録しておく事が重要である。止血が長時間に及ぶと細胞への正常な血流を阻害する為、組織の壊死や挫滅症候群を引き起こす原因となる。挫滅症候群とは筋組織の圧迫が長時間実施された際に壊死した細胞からカリウムなどが圧迫解除と共に全身へと急激に循環することで高カルシウム血症を引き起こし心房細動、心停止を引き起こす事がある。ミオグロビンの流入によって急性腎不全を発生させる事例が報告されている。一部では失血死のリスクを軽減させる為に止血帯を使用したら処置まで占め続けるとあるが、日本の医療上では止血後、30分間隔で止血帯を一時的に緩め血流の回復促進させる処置がとられている。これにより細胞壊死による人体へのダメージを最小限にする事が出来る反面、出血を伴う事は否めない。
外傷処置に消毒を考える人もいるが、緊急処置では薬液を使用した消毒は実施しないものとする。消毒には清潔な流水を用いて創傷を洗いながす事が最優先である。近年では救急外来でも消毒薬を使用せず、流水もしくは生理性食塩水を使用した創部の洗浄を実施する。これには消毒による疼痛の軽減と必要以上の消毒作用が創傷治癒の妨げとなるからである。
Ⅱ.骨折への対応
骨折を認めた場合は添え木を当てて包帯や布で骨折部位を正常な位置へ固定する事を第一優先とする。
処置後は寝かせた状態で安静を保 ち、救急隊への引継ぎ、もしくは医療機関への搬送を行う。この際の疼痛コントロールは薬剤や医師の指示が無いものとして、病院到着まで患者に対してコミュニケーションを図り、ラポール形成を行う事で精神的な疼痛緩和を図ることができる。
Ⅲ.考察
如何なる状況でも応急処置を行う場合、個人単位で行う事は出来ない。状況判断を適切に実施し、周囲の人間に指示を行う必要がある。救急要請やAEDの手配、処置を行う人員の増員を指示する事で一時的対処を行う必要がある。
Ⅳ.結論
サバイバルゲームだけでなく日常生活において危機に直面する事態は起こりうる。その際に適切な行動を行う事が出来るかは結果次第である。だが、知識を少しでも習得していれば応急処置への対応は可能であると考える。
